「パン五つと魚二匹」  08.02.07
                 ヨハネ6:1〜15

  イエス・キリストは、私たちがご自分の方に歩み寄ってくるのを
ただ待っているお方ではなく、私たちの方へ歩み寄ってこられる
お方です。私たちの救いを心から願っておられるお方ですから、
じっとしていられないのです。
 その時、主イエスの周囲には、男だけで五千人の人がいました。
手元には少年の差し出したパン五つと魚二匹しかありませんでした。
主イエスは、それを一人一人に配り始めました。そこにいた大群衆は、
みんな満腹になり、満たされたというのです。
 まずパンを受け取ったのは、主イエスの周囲にいた人たちです。
そこにはすべてを捨てて主イエスに従っている弟子たちがいました。
また、主イエスを熱心に求めている人たちがいました。まず、
その人たちが主イエスによって満たされたのでした。
 熱心な人たちの外側にいた人たちは、後悔したでしょう。もう少し
熱心になって主イエスの近くにいれば、自分も満たされたのにと
思いながら、パンを受け取る人たちのことをうらやましく見ていた
ことでしょう。しかし、主イエスはそのような人の所にも手を差し伸べ、
パンを届け、満たしていかれます。「もう少し」の距離を、主イエスが
埋めていかれました。
 この時、主イエスから遠く離れている人たちもいました。
群衆の一番外側の人たちには、主イエスが何をなさっているのか
見えなかったでしょう。そのうちパンを配っておられると聞いても、
他人事のように思っていたでしょう。ところが、主イエスがだんだん
近づいてこられます。そして最後の五千人目の人もパンを受け取り、
満たされました。主イエスは、そこにも歩み寄っていかれるのです。
 
思えば、私たちも最初は主イエスのことがはっきりとは
見えない外側にいたのです。
 しかし、そこにいた私たちのところに歩み寄り、つきない
恵みで満たし、主イエスと共に生きるものとしてくださいました。
 歩み寄ってくださる主イエスを喜んでお迎えすることから、
幸いが始まります。